料理本はそれなりの数持っていますが、一番活用しているのは奥薗壽子さんの本です。
なかでも、お気に入りは「奥薗壽子の読むレシピ―今日の献立がすぐ決まる」です。

料理研究家の方のレシピは美味しそうだけれども、食材/調味料ともに使用種類が多く自宅で再現するのは手間なもの。いつか作りたいなーと積みレシピが増える一方だったり、美味しいけど材料費が高くついたり。

奥薗壽子さんのレシピは”家庭”料理研究家を名乗っているだけあり、早い・簡単・美味しいの三拍子そろったレシピが多く、使う食材/調味料も一般家庭にごく当たり前にあるものばかりなので再現性が容易なのが特徴です。
早い・簡単・美味しいと言っても決してジャンクなものではなく、体に良い健康的なレシピが豊富にあります。
ご自身もお一人でお子さんを育てているためか、時間の無い働くお母さんに対する「家族には栄養のあるご飯を作りたい。けれども、貴方も頑張りすぎないで」と言った心づかいが感じられるようです。

自分は奥薗さんの本を読んで、料理ってこれで良いんだ!と自炊に対するハードルを下げることができました。
シンプルで簡単なレシピが多いので、仕事で疲れた日も「今日は自炊は無理だし・・・」とお惣菜を買うのではなく、「5分で出来るし帰ってトマたま丼を作って食べよう」と無理なく自炊を生活に取り込めるようになりました。

料理するならちゃんとしたものを、という気負いが無くなるととても楽です。
週末は凝った料理を作るけど平日はお惣菜、と言う生活より、質素でも毎日自炊をした方が体に良いし、食費も抑えられます。手抜きと言うと聞こえは悪いですが、料理は毎日、毎食のことなので継続することが大事です。
継続の為には、適度な手抜きは必要だと思うのです。

さて、料理本には珍しく、この本には写真はありません。あるのは文章のみで1レシピずつエッセイが書かれているのです。写真が無い料理本なんて、と読むのをやめてしまうのはもったいない。このエッセイがまた読んでいて幸せな気持ちになるのです。
どんな時にこの料理を作ったのか、その時の家族との会話などの奥薗さんの日常風景が浮かんできて、読んでいるとなにか作りたくなってきます。料理のモチベーションが下がった時に読むと効果テキメンなので、そういう意味でもよくお世話になっています。
百聞は一見にしかず。是非一度読んでいただきたい本です。

ちなみに奥薗さんのレシピは基本的に薄味なので、調味料を減塩のものにすれば塩分制限中でも結構色々作れたりします。